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​妊活はり

不妊症は病気ではありません

まだ産んでいないだけです

どんな治療よりも心が幸せであることが

赤ちゃんを授かる方法です

​妊活はりで妊娠しやすい体質に

​鍼は妊娠体質への近道です

当院では鍼灸の不妊治療とはいいません。もちろん日常表現として、便宜的に使用する場合もありますが、基本的に不妊治療とは医師がなす医療行為を示しています。また、不妊症というのは病気でもありません。妊娠していない状態であるというのは、妊娠を目指している方が未だ妊娠していない状態で「未妊」という表現が適切かと思います。当院では未妊の方へ、妊娠を補助する妊活鍼を行っております。それは医療現場で行われている不妊治療とは違い、お父さんとお赤さんの妊娠しやすい健康体をつくる体質改善を目的としています。所謂不妊症への鍼灸施術効果の研究は多く行われており、多くの実績も出しております。当院では、標準的な不妊改善の鍼の他、体質改善をよりよく補助できる鍼を組み合わせて、お父さんとお母さんの妊活を応援する鍼を行っています。

​不妊症とは

​不妊の定義

不妊症とは、避妊しないで性生活を継続的にしているにもかかわらず、1年間妊娠が成立しない状態を指します。

不妊症は病気ではなく、症候群です。

"症候群"というのは、原因や理由に関わらず、ある症状の人をいう言葉です。

不妊症の原因は、男性・女性いずれか(あるいは両方)の原因を特定できることがある反面、はっきりした原因が特定できない場合が多くあります。

 

不妊症による治療効果は、早い段階で行うほど高い奏功率が期待できます。年齢と共に妊娠率は低下するため、なかなか妊娠に至らない際には、早い段階で治療を検討してみることも大切です。

​不妊症の基礎知識

​不妊症の分類

妊娠が成立するためには、排卵が起こり、卵子と精子が出会い、受精して着床するまでの間の条件が整う必要があります。

不妊症は、この過程のどこかに問題が起こります。

問題となる因子は単独の場合もありますが、不妊症の多くはいくつかの原因となる因子が重複して起こります。さらに、明らかな不妊の原因が見つからない原因不明のものも多くあります。

【器質性不妊症と機能性不妊症】

●器質性不妊症  

不妊に原因があきらかな不妊の場合

●機能性不妊症  

明らかな原因がないか、あるいは内視鏡検査を含めた現在の検査法で原因疾患の診断が不可能な不妊症

【原発性不妊症と続発性不妊症】

●原発性不妊症   

挙児を希望して正常な夫婦生活を営む男女間に過去2年以上1回も妊娠の経験がない場合

 

●続発性不妊症   

過去に同一男女間において少なくとも1回の妊娠経験があるにもかかわらず、その後、生殖可能な年齢にありながら、2年以上妊娠成立しない場合

 

【難治性不妊症】

不妊の原因は単一とは限らず、多岐にわたっている場合

一般的に不妊は経過年数が長くなるほど、治療が困難となり妊娠する能力が低下します。

一般的不妊治療を開始してから3~5年以上経過しても妊娠成立しない場合、あるいは不妊原因が一般的な不妊治療では妊娠成立の時期がまったくもてないような場合には難治性不妊症とよばれます。

 

【男性不妊と女性不妊】

不妊の原因は大きく分類すれば、不妊原因が男性側にある場合の男性因子不妊と不妊原因が女性側にある場合の女性因子不妊、男性と女性の両性の適合性に基づく不妊原因がある場合を両性適合性因子不妊、また両者ともにそれぞれ不妊原因を有している場合の混合因子不妊とに分けられます。

●男性不妊

男性因子不妊は不妊症全体の約40%と考えられています。

男性因子の不妊の病因には、造精機能障害、精路通過障害、副性器障害、男性性機能障害(ED)などがあります。

大部分の原因は、無精子症、乏精子症、精子無力症、奇形精子症などの造精機能障害が主で、そのほとんどが原因不明です。

●女性不妊

女性の不妊には多くの要因があり、単一の要因によるよりも病因の多くが重複していることがあります。

女性因子の不妊症の病因には、内分泌因子、卵管因子、子宮因子、頚管因子、膣・会陰因子、原因不明妊娠、その他の不妊因子などがあります。

​鍼灸で妊娠体質に生まれ変わる

​鍼灸の体質改善で妊娠の可能性が高まる方

【男性で体質改善で妊娠可能性が高まる方】

①乏精子症  :精子の数が少ない状態

②精子無力症 :精子の動きが悪い状態

③乏精子症と精子無力症の両方

①から③に該当する方は、体質改善により妊娠可能性が高くなります。これは数々の臨床研究の結果から、鍼の効果により精液所見が正常値に改善されることが分かっています。

 

●精子運動率の改善

鍼施術を行うと、精子運動率、特に低い運動率が改善することが報告されています。

これは、鍼施術が精漿を作る前立腺などの性腺に影響を及ぼした結果と考えられています。

●勃起機能の改善

ラットの研究では非勃起時に鍼施術を行うと機能の改善が見られました。また勃起機能が低下する高血圧状態のラットでも勃起機能が亢進したことから、勃起状態を正常に近づける効果があると考えられています。

 

※男性で病院で検査を受けたくないという方には、市販の精子観察キットが販売されています。その代表例としてTENGAヘルスケアで販売されているテンガメンズルーペ(スマートフォン用 精子観察キット)は安価で精子の動きを観察することができます。また、精子セルフチェック【Seem(シーム)】は精子の濃度や運動率などもスマホで測定することが出来るキットです。こちらの方が簡易で詳細な情報分析をできますが、テンガよりもやや高値です。いずれもAmazonでの購入ができますので、男性妊活のファーストステップとしてお勧めです。

 

 

【女性で妊娠体質になる可能性が高い方】

①器質的原因:子宮内膜症、子宮筋腫、多嚢胞性卵巣(PCO)など

②機能的原因:黄体機能不全、高プロラクチン血症、排卵障害、子宮内膜着床不全など

①②が不妊症の原因となっている場合は、姿勢や骨盤の歪みやストレス、食生活の乱れ等の生活習慣や体質などにより、「瘀血」(東洋医学でドロドロした血液)で血液の正常な流れが滞り、子宮や卵巣の機能も低下させていることで不妊になっていることが考えられます。

こういった場合、鍼灸の効用としての血流を整え、働きを改善する作用により、妊娠しやすい環境にすることが可能です。

 

また、不妊治療を受けられている多くの方が直面する問題として心理的な不安があります。

心理的な不安は脳の正常な働きを阻害し、脳の視床下部の働きを低下させホルモン分泌や自律神経の働きを悪くします。

自律神経が乱れると、不眠・不安・冷え・頭痛・いらいらなどの症状が現れ、ホルモンバランスが乱れると、月経不順や排卵障害・不正出血などを引き起こす原因となります。

 

これらの不定愁訴は、継続的に鍼灸治療を行うことで軽減していきます。

身体の緊張を解くことで身体に染み付いたストレスを軽減し、脳への血流を改善する事で自律神経を整え、結果としてホルモン分泌状態が安定し、妊娠しやすい身体へと改善していく事ができます。

また、自律神経の乱れが免疫異常を引き起こし、着床を妨げている可能性があるため、鍼灸治療で自律神経と免疫状態の調整を行い、着床しやすい環境にすることも可能です。

​妊活はりを希望される方へ

​当院で体質改善をお受けする方は是非お読み下さい

1.まずは病院での診断を

 上記のような妊娠プロセスによる障害ではなく、不妊に至る根本的な疾患がある場合には鍼灸治療を行っても妊娠することはできません。不妊症の原因は男女双方にあり、WHOの統計では不妊症の約半分のケースで男性に原因があると考えられています。このことから、不妊症で病院を受診する際は夫婦二人で受診して頂く事をお勧めします。

 

2.病院での不妊治療との併用をおススメしています

 基本的に鍼灸施術とは、自己治癒力を高めて身体の調子を整える方法です。身体は指一つでも全身の調子に大きく関わっており、不調の部分が多いほど、身体全体のバランスは悪くなります。しかしその反面、一つ一つの不調を治すことで身体の調子を整えていく事で健康的な身体をつくることができます。

 

3.月に2~4回ほどを目安に無理のない妊活鍼を

 当院では妊活鍼として、体質改善を中心とした妊娠しやすい体質づくりを目的に施術致します。体質改善も1日としては成らない事ですので、ある程度時間をかけてじっくりと向き合って頂く事が必要となってきます。当院での治療と自身での生活改善などにより、基本的には3か月くらいが変化の兆しが現れる目安となりますので、無理せず焦らずで一歩一歩確実に変化を感じていきましょう。

 

4.当院での妊活鍼は男女ともに受けられます

 男女ともに約1時間程度の施術になります。リラックスしてベッドに横になって頂ければ何の問題もありません。施術部位は腹部と手、足、腰の頭部への鍼やお灸が基本になります。完全に個室で一人ひとり行いますので、治療中はリラックスして受けて頂くことができ、ご相談をお聞きする時間も十分にあります。不妊治療中は色々と心配になったりすることが多いと思いますので、不安な事があれば何でもお聴きして下さい。

 

※使用するツボの例

天柱 中脘 天枢 関元 中極 肩井 天宗 膈兪 肝兪 胃兪 脾兪 腎兪 命門 

中髎 合谷 神門 血海 地機 足三里 三陰交 太谿 太衝 など

​鍼灸の不妊に対する研究

​いま世界中で不妊に対する研究が行われています

中医学の鍼灸で自然治癒力向上妊娠の確率が約65%高くなると言われています。

 

海外では、2002年にドイツと中国の合同研究チームが、鍼灸治療が不妊症の改善に効果があると、アメリカの生殖医療学会誌で報告しています。

調査は人工授精を受ける160人の女性を対象に行われました。あらかじめ2つのグループに分け、一方に鍼灸治療を行ったところ、鍼灸治療をしていないグループの妊娠率が26.3%。それに対して治療を行ったグループは42.5%でした。人工授精の妊娠率が3割程度と言われていますので、それと比べても高い数字と考えられます。

 

2009年2月7日付けの英国医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」のオンライン版に、体外受精を受ける女性が、同時に鍼治療を受けると、妊娠の確率が65%高くなることが掲載されました。

 

2018年6月15日に「日本アンドロロジー学会第37回学術大会」で【明治国際医療大学はり・きゅう学講座】と【京都府立医科大学泌尿器科学教室】の共同研究で、鍼治療による精液所見の改善が確認されとして発表されました。

 

※上記効果には個人差があります。また、施術者への信頼や安心感も非常に重要な要素になってきますので、不安なことや疑問に思う事は何でも相談してください。さらには、治療が身体に合っていない等があれば無理に勧めることはしませんので、とにかく無理のない範囲で気持ちよく治療を受けられる事が大切です。

​臨床研究事例

​日本でも多くの研究が大学や病院で行われています

【女性の不妊に対する研究論文の紹介】

 

中髎穴刺鍼が不妊症患者の子宮循環に及ぼす影響


東洋医学研究所®グループ 明生鍼灸院 

鈴木裕明、村中友香、青木美鈴、片岡泰弘、高橋順子、木津正義

竹内病院トヨタ不妊センター  

俵史子

明治鍼灸大学 臨床鍼灸医学II教室

本城久司、北小路博司

【目的】
我々はこれまで不妊症患者に対して鍼治療を行い、妊娠率の改善について検討してきた。しかし鍼治療の効果機序について詳細は不明である。今回、鍼治療が不妊症患者の子宮循環におよぼす影響について検討した。

【方法】
対象は、竹内病院トヨタ不妊センターを受診し、胚移植を2回以上行うも妊娠にいたらなかった不妊症患者のうち本研究に同意の得られた9名で、年齢26~40歳(平均32.8歳)、不妊歴2~7年(平均4.2年)であった。血管抵抗の測定方法は、LOGIQ400(横河メディカル)を用い、月経周期の3~7日目に経膣的にカラードップラー法にて左右子宮動脈、子宮放射状動脈のPulsatility index(PI)、Resistance index(RI)をそれぞれ測定した。鍼治療方法は直径0.3mm、長さ60mmの鍼を第3後仙骨孔部(中リョウ穴)に約50~60mm刺入し徒手的刺激を合計10分間行った。鍼治療は週に1回間隔で施行し、鍼治療開始後2周期目の月経周期3~7日目にPI、RI値を再検した。
【結果】
鍼治療後、子宮動脈PI値は2.42から2.05に、RI値は0.87から0.80へと、ともに有意(p<0.05)な減少を示した。子宮放射状動脈のPI値は1.97から1.64へ、RI値は0.81から0.77と減少する傾向を示したが、有意差はみられなかった。
鍼治療後に凍結融解胚盤胞移植を施行した症例は7症例あり、そのうち妊娠(胎嚢確認)に至ったものが3例、化学的妊娠に至ったものの、胎嚢確認できなかったものが3例であった。
【考察と結語】
今回の結果より中髎穴刺鍼が、子宮動脈の血流改善に関与したことが明らかとなった。我々は難治性不妊症に中髎穴刺鍼が有効であることを示しており、子宮の血流が妊孕性に関連しているとの報告もあることから、中髎穴刺鍼が妊娠率向上に寄与する可能性が示唆された。

【男性の不妊に対する研究の紹介】

2018年6月15日に「日本アンドロロジー学会第37回学術大会」で【明治国際医療大学はり・きゅう学講座】と【京都府立医科大学泌尿器科学教室】の共同研究で、鍼治療による精液所見の改善が確認されたとして発表されました。

男性不妊症の約8割が造精機能障害(精子を造る機能の異常)であり、その半数以上は原因不明で治療法が確立されていません。これらのことより、精液所見を改善させる新たな治療法が求められています。

【研究概要】

 成人男性(24名)を対象として、鍼治療が精液所見に及ぼす影響を検討したところ、精巣の血液循環と前立腺機能が向上することで、精子数の増加と精子運動率の上昇が認められました。また、乏精子症と乏精子症・精子無力症の併発症例では、鍼治療により精液所見が正常値に改善されました。

※ 乏精子症:精子の数が少ない状態

 精子無力症:精子の動きが悪い状態

 乏精子症と精子無力症の併発症例:精子の数が少なく、また少ない精子の動きも悪い状態

男性不妊の8割以上を占めるのは、精子を作る機能に問題がある造精機能障害です。精液検査で「精子の数が少ない」「精子の運動率が低い」という結果が出ます。

 

造精機能障害は半数以上が原因不明です。原因不明と聞くと「未知の病気が隠れていて、精子を作る機能が決定的に欠けている」などと悪くイメージしがちですが、鍼灸治療で精液検査の数値改善例がしばしば見られることから、改善可能なケースが多い印象です。

 

造精機能障害の原因はほかに、精巣静脈瘤、停留精巣、染色体異常などありますが、これらは基本的に鍼灸の守備範囲外です。

 

男性不妊は、造精機能障害のほかに精路通過障害や性機能障害のケースもあります。精路通過障害は精液の通路が塞がれている状態で、治療は精路再建の手術です。性機能障害は、その原因によっては鍼灸で良い効果が出たという報告もあり、鍼灸で改善する可能性があります。

​赤ちゃんはなぜ生まれるのか

​不妊から生命の本質も研究されています

【不妊の心理状態】

普段何気なく過ごしている事を突き詰めて考えると、あらゆる事柄が人智を遥かに超えた出来事であることに気が付きます。妊娠や出産という出来事も同様にとても神秘的な出来事ですが、生命が種を保存する能力というのは、あらゆる生命が根源的に持っている普遍的な能力であり、特別な事ではありません。

私たちが、子孫を残していくというのは遺伝子に備わっている基本的システムであり、妊娠や出産に臨むという事を難しく考える必要は特にありません。しかし、現在の不妊の現場においては情報が散乱し、憶測や不安が蔓延して、妊娠という自然の事が自然に思えないような状態になっています。

私のところに来る方は皆、とても切羽詰まった苦しい想いで訪れます。しかし、その苦しさは実際にある状況以上に負担を抱えている状態で、不安が肥大化し過ぎて絶望感となってしまっている方が多いことに気が付きます。絶望は死に至る病であると19世紀の哲学者キェルケゴールは語っておりますが、人の禍福とは、その人の心の持ちようそのものであり、もし絶望を感じるのであれば人は存在的な死を体験し、死以上の苦しみも味わいます。

 

だからこそ、不妊という事を、あるいは生きるという事を真摯に考察する必要があるのです。

 

【胎内記憶から生命を考察する研究】

不妊症において、一つの考え方を考察していきたいと思います。

これは私が共感する池川クリニック院長の池川明先生著作の「ママを守るために生まれてきたよ!」を参考にさせて頂いております。

 

池川明先生は産婦人科医として長い臨床経験をお持ちです。出産という出来事を通じて、1999年より胎内記憶に関する研究・調査をはじめました。研究の中で、胎内での記憶や出産時の記憶以外に、胎内に入る以前の話をする子供たちが複数いる事実に気が付きます。

池川先生以前にも、1970年代後半から、胎児や新生児のすぐれた知覚や記憶力について書かれた本が、日本で相次ぎ翻訳出版されました。『暴力なき出産』フレデリック・ルボワイエ(仏 1974)、『胎児は見ている』トマス・バーニー(米 1981)、『誕生を記憶する子どもたち』デーヴィッド・チェンバレン(米 1988)などがり、研究こそ近年になりされたことではありますが、古くより世界各地で広く知られている事でもあります。

 

海外での研究の一つを紹介いたします。

出生前・周産期の心理学と健康協会(The Association For Prenatal and Perinatal Psychology and Health)の機関誌に掲載された論文です。ネットを用いて、「誕生時記憶」「胎内記憶」「中間生記憶」「過去生記憶」に関するアンケートを行いました。池川明先生との2014年の共著 "Children with Life-Between-Life Memories"で、「過去生記憶」や「中間生記憶」だけを単体で調査するのではなく、「誕生時記憶」や「胎内記憶」と合わせて調査することで、これらの記憶をより大きな視点から見ることができると主張しました。本論文ではその視点から1万人の女性を対象に行ったアンケート結果を報告したものです。

"Children's Birth, Womb, Prelife, and Past-Life Memories: Reults of an Internet-Based Survey," Journal of Prenatal and Perinatal Psychology and Health 30(1), 3-16, 2015.

本論文で示した主な論点は以下の通りです。

(1) 4種類の記憶の中でよく知られている順番に並べると、

 ①胎内記憶

 ②誕生時記憶

 ③中間生記憶

 ④過去生記憶

(2) 3歳~12歳の子供を持つ母親に限った場合の記憶している割合

 胎内記憶   28.1%

 誕生時記憶  16.2%

 中間生記憶  13.3%

 過去生記憶  4.0%

(3) どの記憶においても、ほとんどは2、3歳で話し始め、8歳くらいまでに自分からは話さなくなる。

(4) どの記憶においても、寝る前や食事時に話すことが多い。また、過去生記憶を除き、入浴時に話すことが多い。

(5) 記憶の中に事実と合致する例が多くあり、そのため空想ではなく本当の記憶だと感じている母親が多い。

(6) 記憶の有無について、母親の宗教的背景は無関係。

(7) 一部の例外を除き、子供がこのような記憶を話す、あるいは話すことがあるという事実を知っていることは、母親に対していい影響を及ぼす。

 

【胎内記憶と退行催眠】

この胎内記憶や中間生記憶、過去生(前世記憶)は何も子供だけが語るものではありません。心理治療で広く利用される方法として退行催眠があります。PTSDなどのトラウマ体験を深く心の障害を抱えた人に、それを解決させる方法として過去のトラウマになった出来事を回想させて、現在(退行催眠を受けている時)の状態でそれを客観的に顧みることにより、自己の裡に秘めた抑圧された体験を解放させていくという心理療法です。退行催眠の詳細は省きますが、成人に退行催眠を行った際に、前世や中間生の記憶があることに気づいた人達がいました。有名なのは医師のブライアン・ワイス博士です。現在は前世療法の世界的権威として知られており、日本でも「前世療法」の著者で広く知られています。

 

この記憶の一つ一つの真偽は分かりかねますが、多くの証言が存在するのは事実です。そして、退行催眠をしなくてもこの過去生の記憶を持つ人間も多く存在しています。

 

【赤ちゃんの生まれる意味】

池川先生は著書の中で、子供たちがお母さんの身体の中に入る以前の話に共通性があると言っております。子供たちは、雲の上からお母さんを探したり、生まれてくる順番を待っているというのです。

雲の上では、子ども同士で「あのお母さんがかわいい」「あのお母さんがきれいだ」などと話しながら、自分たちのお母さんを世界中の国から選んでいるらしいのです。中でも一番多い決定基準が「やさしそうだから」という事です。

そして、自分がおなかに宿る前から両親を見ていたという子もたくさんいます。お父さんとお母さんのデートを後ろから見ていたという子も複数いれば、知人の医師は、「銀座を女性2人で歩いていた結婚前のお母さんの後ろを、自分は飛んで追いかけていた」と語ってくれました。その女医さんは、「先生、信じられないかもしれませんが、そのときの私の背中には、小さな羽が生えていたの」と教えてくれました。また、「おじいさんと空を飛んでいたら、笑い声の聞こえる家があったので、ここに生まれたら楽しそうと思って、この家を選んで生まれてきた」と話す子どももいます。

ほとんどのお子さんは自分からお母さんを選ぶようです。しかし、時々お母さんを選べなかったから、「子どもを欲しがっている人がいるから、あそこに行きなさい」と神様に選んでもらって、お母さんを決める子どももいるようです。子どもがお母さんを選んだあと、最終的には「神様」と呼ばれる人の所に行き、許可をもらってからお母さんの所に行くのが基本のようです。ところが、「雲から下を見ていたら、突然突き落とされてお母さんの所に来た」という話もあって、「自分の意志が固まらないうちに、突然選ばされてしまう」こともあるようです。

このような中で、「虐待される子どもは、自分から親を選んで生まれてくるわけではない」と考える方もおられるでしょう。記憶のある小学生は、次のように話しています。「それも承知で生まれてくるの。お母さんが成長するまで、何度でも同じことを言いに来るんだよ」。つまり、お母さんが成長するために、あえて虐待する親を選んで、「お母さん、成長してね」と、親の成長を祈ってくる子どももいるらしいのです。

このように、私たち人間の価値観を遥かに超えたところで、人間というのはある種の成長を求められ、それは世界に本当の意味で平和や秩序をもたらす為に行われているようです。

 

赤ちゃんを授かることにも意味があれば授からない事にも意味があり、いずれにしてもこれは私たち一人ひとりの成長に関係しているようです。人間の執着や欲望などといった後天的に作られるものではなく、生まれる以前より定められた、あなた自身の成長の物語に合致しているかどうかという事だとも言えます。

池川先生の著書で紹介されている胚培養士の田嶋裕子さんも、「不妊治療については、神さまの領域に手を出してはいけないと、反対の立場をとる方もいますが、私たちがしていることこと(人工授精)も含めて、より大きなものの中に組み込まれているのではないかと思います。私たちが不妊治療をおこなっていることも、精子と卵子との出会いも、赤ちゃんが生まれてくることも、すべてがそうした大きなものの一部で、あらかじめ決まっていることではないかという気がします。」と言っています。

 

【死産・流産・中絶】

また不妊以外にも、死産や流産、中絶などにも意味がある事が書かれております。

どんな形であれ、死産や流産、中絶でも形が違うだけで同じことだそうです。それはやはりご両親の成長の為だそうです。生まれてくる赤ちゃんにとっては、どのような形であろうとも、胎内で死産となっても、それがご両親の成長為であれば、命の時間の長短は関係ないのだそうです。もちろん、中絶であっても、その中絶を受ける赤ちゃんも親を怨むことなどないとのことなど全くないのだそうです。

池川先生の著書の中で、生まれていない赤ちゃんと対話が出来るという方(スピリチュアルカウンセラー)からの赤ちゃんからのメッセージの一つです。

「流産することも、早産になって死ぬこともできたし、生きて生まれるという選択もあったよ。でも、お母さんとお父さんにとっていちばんいいのが、予定日一週間前のこの時期に雲の上に帰る事だったと思ったから、そうしたの。」

 

すべてがご両親の成長の為だというのです。

 

【まとめ】 

私もこの赤ちゃんの想いに深い共感を感じます。

実は、私にも似て非なる記憶があり、この世界にひそんむ流れを感じることがあるからです。

鍼灸師を志す者には、不思議な目が開いている方が多いように思います。私にも身に覚えの一つや二つはありますが、特別な事とは感じていません。ただ少し、人より目が良い、耳が良いだけのように感じています。それだけの事なので、この感覚があるから人より優れているわけでは当然ありません。むしろ弊害に感じることが多いとさえ思いますが、この能力が少しでも皆さんの想いに共感できることが出来れば幸いだと思います。

 

不妊に悩まれている方々に少しでも希望の光が差し込み、暗く長き旅を終えれる事を祈っています。

 

 

※参考図書

池川明 「ママを守るために生まれてきたよ!」 Gakken など

馬場乾竹 「子宝地図」で赤ちゃんを授かる!」 ごま書房新社

浅田義正 河合蘭 「不妊治療を考えたら読む本」 講談社

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